金刀比羅谷古墳



2011年最後の更新はこの古墳で。

松江市西持田町小倉、先述の日吉垣の内古墳から
数百m北上すると小倉バス停があり、そこから山側に
細い脇道が分岐しています。
そちらに入って200mほど進むと、山際が少し開けて
農地になってる部分があります。
そこから山中に入った位置にあるのがこの金刀比羅谷
古墳。
数ある石棺式石室の中でも超Aクラスの逸品です!




この位置が進入ポイント。

ここから右手の谷に入って30mほど登ると、左手の
山腹に露出した石棺式石室が見えてきます。

詳しい位置は下記のマップで。
私は運良く一発で発見できましたが、初見だとかなり
迷うと思います・・・








石室全景。

この石棺式石室の凄いのは、一個の岩塊を刳り
貫いて石室を造ってる点です!
石材を組み合わせた石棺式石室は数多くありますが、
床面まで一個の岩塊というのは記憶にありません。
この石材は砂岩で、付近は安山岩ばかりなので
どこからか運ばれてきたと考えられてます。



(*´д`*)ハァハァハァアハァ




そして最大のポイントがこのセパレート式
開口部!


( ̄□ ̄;)!!


セパレート式というだけでも希少ですが、この開口部と
本体の彫り込みが似てると思いませんか?

・・・そう、この開口部は本体の岩塊を薄くスライスして
出入口を開け、裏表ひっくり返して設置しているという
超絶技巧を用いた逸品なのです!!



(;´Д`)スバラスィ ...ハァハァ




開口部をアップで。

多少風化してますが、閉塞石を嵌め込む彫り込み
加工も絶品。
厚み0.4m、幅1.8m、高さ1.1m。
開口部幅は一辺0.6m。
埋まってますが底にも石材があり、石板の中央を刳り
貫いた構造になってます。





玄室。


エッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?


興奮して画像が斜めになってしまいしたが、史上最高級
の完成度を誇ります!
とにかく全ての壁面がツルッツルに表面加工済み。
完璧に石棺内部を模した造りになってます。
寸法は内法で幅1.8m、高さ1.2m、玄室長1.9m。
埋まっていてよく分かりませんが、奥壁側には幅1m、
高さ3cmの棺台が削りだされているそうです。



(*´д`*)パッション!!




天井部。

分かりづらいですが石棺蓋裏の筋が彫り込まれてます。

>−<  こんな感じ

天井は四注式整正平入形に加工。




奥壁。

どこにもヒビや割れが見当たらない完璧な施工。



(*^ー゚)b グッジョブ!!




右側壁。




左側壁。





玄室から開口部。

こちらが本来の外面だったようです。
セパレート式なので、お相撲さんを埋葬する際も安心
ですね。



(・∀・)ニヤニヤ




これは閉塞石の一部?

とにかく、これまででも最も感動した石棺式石室でした。



( ´ー`)フゥー...


また、脇道に車で乗り入れるのは厳禁です。
私も「どこかでUターンできるやろ」と思い突っ込みましたが、
結局地獄の200mバック運転を余儀なくされました・・・



((((;゚Д゚)))ガクガクガクブルブルブル




   金刀比羅谷古墳     総合評価             
  ビギナーお薦め度  たぶん一人では無理っぽい。
  マニアお薦め度  石棺式石室マニア以外でも見学必須の超逸品。
  交通アクセス状況    駐車スペース無し。 下車後徒歩約3分。
  観賞のポイント  セパレート式の開口部や完璧な壁面施工にもうクラクラ。
  その他の注意点      ライト必須。 冬季推奨。 動物注意。 
                       カマドウマ注意報発令中! 





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