網野銚子山古墳発掘調査現地見学会




京都府京丹後市にある日本海側最大の前方後円墳、網野銚子山古墳の発掘調査現地見学会に
行ってきました。

この網野銚子山古墳、史跡公園として整備される予定で、後円部の中央に見学用の
階段を設置するため発掘調査を行ったところ、葺石や埴輪列が発見されたそうです。




これは後円部を正面から。
麓から墳頂まで一直線にトレンチが入れられてます。


うむ、久しぶりの現地説明会だったんで気合を入れて開始1時間前に到着。
ほぼ一番乗りに近かったのでほとんど人がおらず、場所を間違えたのかと思ったわい。




奈良の古墳の現地説明会じゃ、開始前に見学者が列をなしてましたもんね。
とりあえず、混雑する前に出土品の見学を済ませておきましょう。




展示されていたのは円筒埴輪の破片を復元したもの。。
ほとんど一部分だけだが、線刻文様がはっきり確認できる優れものじゃ!





今回は主体部の発掘などは行われていないので出土品も少ないが、今後本格的な
発掘調査が待たれるのう。


人のいないうちに発掘現場も見学。
これは1段目に入れられたトレンチですが、葺石や埴輪が見事に残ってます!




これは1段目のテラス部分。
標高24.0m、幅4.2mと幅が広いのが特徴です。


きれいに円筒埴輪が残ってるのが印象的じゃな。
この下段の斜面は水平距離(ただし検出長)約1.4m、高さ約0.6m。



ここより上は説明会が始まるまでは立ち入り禁止じゃったので、
許可が下りるまで我慢じゃな。


そうこうするうちに時間になりましたので、現地説明会が始まりました。
だいたい100人くらいでしたか。



説明会の様子は上の画像をクリックしてください。
説明会のムービーをご覧いただけます。


基本的な説明が終わると、今度は実際に墳丘を登りながら各部分の解説じゃ。
右側の土嚢の上を登っていくのじゃが、滑りやすいので逆行禁止なのだが
無視して下ってくる爺さんが続出しとったわい。



今回も老人会の行事かと思うくらい年齢層が高かったですからね。
でも、チラホラと若い人、特に「古墳ギャル」も見かけましたよ!

しかも、けっこうガチなカメラで撮影しとったのう。
若い人が古墳に興味を持ってくれるのは頼もしい限りじゃ。



ああ、歩きながらの解説もムービー撮影しましたので、上の画像をクリックしてくだされ。
油断してて冒頭の部分を録画し損ねたのだが、「次の説明で撮り直すか」と思ってたら
説明会は一回限りじゃった・・・
奈良の遺跡での現地説明会に慣れてたので、説明会は何度も行うもんじゃと勘違いしてたわ・・・(汗


これは中段の斜面。
葺石が良好に残ってます。
水平距離約9.2m、高さ約4.3mだそうです。




これは2段目のテラス部分。
標高28.2m、幅2.8mと1段目に比べて幅が狭くなってます。
テラス部分にも葺石が敷かれ、埴輪列が巡ってました。




2段目のテラスと上段斜面の境は、基底石で墳丘が崩れないように土留めがなされてます。


上段斜面も葺石が検出されとった。
長さ(水平距離)約20.2m、高さ約9.8m。




これは墳頂端の部分。
この葺石の葺き終わりが確認できるのはとても珍しいことだそうな。


ここも埴輪列が明瞭に残ってます。
未確認ですが、後円部墳頂を埴輪列がぐるっと取り巻いている可能性が高いそうです。




墳頂から麓を撮影。
すごい急傾斜じゃが、これほど綺麗に葺石が残ってたのは奇跡的じゃな。
後に見学した富雄丸山古墳では、葺石が崩れ落ちとったわい。




この発掘調査の結果、後円部に木製階段を付ける計画は無事中止されました。
史跡公園の計画は続けるそうなので、できればこの遺構を見学できる状態で
整備していただきたいのですが、それはどうも無理そうです・・・

この後、2019年1月に奈良の富雄丸山古墳の現地説明会に参加したのじゃが、
段築や葺石の状況が、この網野銚子山古墳とソックリなんじゃ。
築造時期も近いし、何らかの技術交流があったのかもしれんな。
ま、はなはだ簡単でしたが、網野銚子山古墳現地説明会のレポートをお送りしました。
またどこかの現地説明会でお会いしましょう!



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